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タルギウユ

韓国の出産現状


韓国の出産現状

  韓国の帝王切開率は世界トップである。2003年8月26日付けの中央日報の記事によると、過去4年連続世界1位だ。99年は43%、2000年は40.5%、2001年には39.6%、そして、2002年には39.2%と少し減少してきてはいるが、2002年度もやはり世界トップとなった。

   韓国では10人中4人の赤ちゃんは帝王切開で生まれているのだ。先進国のアメリカが23%、ヨーロッパや日本が20%だから、それに比べると極めて高い水準だ。 ちなみに、世界保健機構(WHO)は、帝王切開率が5~15%になるように勧告している。

 国民健康保険公団の発表によれば、2002年度の医療機関の帝王切開の現況を見ると、分娩件数が100件以上の医療機関の中で帝王切開率が最も低かったのが、忠清南道にある産婦人科医院(14%)で、最も高かったのが、京畿道のグリ市にある産婦人科医院(81.3%)だと言う。その差6倍である。分娩件数が100件以上で80%を超えるというのには驚きだ。

 帝王切開率が最も高い地域は、済州道(ジェジュド)44.6%、江原道(カンウォンド)44.5%、仁川43.5%、忠清北道42.4%の順である。最も低い地域は光州市(クァンジュ市)25.9%だ。私個人の意見としては、田舎のほうが家に産婆さんに来てもらって出産する人が多いんじゃないか、なんて思っていたのだが、意外にも田舎の方が高い数字であることが分かった。

 なぜ韓国ではこのように帝王切開率が高いのだろうか。 その原因として挙げられるのが、医者が自然分娩を促して、赤ちゃんや母親にもしものことがあった場合、その責任を問われることを嫌うからである。 そして何よりも、金銭的問題だ。帝王切開による分娩費は自然分娩の約2倍以上だ。病院の経営を考えると、医者としても手術をするほうが儲けになるので、簡単に帝王切開をしてしまう傾向があるのだ。なんとも悲しい事実だ。

 だけど、私はこれらの原因が医者側だけにあるとも言いがたいと思う。韓国人はもともと薬や注射好きである。病院に行けば必ず注射を打たれ、街のあちこちに薬局があり、どの薬も驚くほどよく効く。私がちょっと風邪を引くと、「じゃあ、ちょっと横になってなさい」じゃなく、「病院に行きなさい」或いは「薬を飲みなさい」のどちらかだ。以前誰かにこんなことを聞いた。韓国人は痛みを耐えることが嫌いな国民だ!と・・・。 楽に産みたいという患者、金儲けをしたいという医者の欲望がこの国の帝王切開率を高めているのだと思う。

 だが、最近は少しずつ変化しているようだ。患者側も自然分娩が母親にも赤ちゃんにもいいことだと認識している人が増えてきているし、上の子が帝王切開で生まれたからといって必ずしも下の子も帝王切開をする必要のないことも分かっている人が多い。上が帝王切開なので下の子は是非自然分娩で・・・と考えている人もいるようだ。病院側でも帝王切開率が低いことを売りにしている病院も多くなった。

私が行っていた産婦人科でも「韓国の帝王切開率を下げよう!」などと書かれたポスターが張ってあり、先生は、お母さんにはなるべく自然分娩を薦めていると話していた。(結局日本で産んじゃったけど・・・)
私の知人も、2日間苦しみ続け、耐えられなくなって「切ってください!」と泣き叫んだが、先生は「今切ってしまうと、絶対後悔することになるから、がんばりなさい」と励ましてくれたそうだ。

まだまだ、時間はかかりそうだが、韓国の出産も少しずつ変わりつつあるようだ。



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